アカエイのオスとメスの見分け方
カブトムシのオスとメスは角があるかないかで、すぐにわかるけど、
アカエイにも、オスとメスの見分け方ってあるのかな~…?
アカエイのオスとメスの見分け方はとっても簡単です!
本当!? どこを見ればわかるの?
答えを教える前に、まずはアカエイの体についてみていきましょう!!
アカエイをはじめとするエイ類の体は平べったく、眼や鼻の位置は他の魚と異なります。
眼は背側にあり、砂に潜っているときでも、眼だけを砂から出して周りを見ることができます。
眼の後ろには噴水孔とよばれる水抜き穴があります。
噴水孔は捕食のときなどに同時に吸い込んでしまう水や砂を排出する機能があります。
鰭は胸鰭と腹鰭があり、私たちが普段食べている部分は胸鰭になります。
また尾部は長く、尾棘が発達しています。アカエイの尾棘には毒があるため、これに刺されると危険です。
鼻孔と口は腹側にあります。そのため、アカエイは捕食のとき、餌をお腹で押さえつけながら胸鰭を動かし口に運びます。
また、口の周りにはロレンチニ瓶と呼ばれるサメ・エイに特徴的な器官が集中しています。ロレンチニ瓶は生物が筋肉を動かす際に生じる微小な電気を感じることのできる器官で、主に餌を探す時などに機能すると言われています。
鰓孔は左右に5対あります。普通の魚の鰓孔は左右に1対ですが、サメやエイの仲間は基本的に左右に5対あります。
総排出孔は、糞を排出する場所です。メスの場合は子宮とつながっており、アカエイの赤ちゃんは総排出孔から生まれてきます。
ふんふん、色々な部位があるのはわかった気がするけど…
クラスパーって何?
それは人間でいう「おちんちん」です。
これこそが、アカエイのオスとメスを見分けるポイントです!!
アカエイのオスとメスの見分け方は簡単で、クラスパーと呼ばれる器官があるかないかで判別できます。
クラスパーはオスだけにある生殖器で、人間でいう「おちんちん」です。
サメやエイの仲間のオスは、2本のクラスパーを持つため、おちんちんが2つもあります。
水族館などでアカエイを見つけたら、クラスパーの有無で容易にオスかメスかわかりますので、是非、確かめてみてください。
アカエイのオスは「おちんちん」が2つもあるなんてビックリ!!
そうだね!ちなみに、違う見分け方もあるんだよ!
え?まだオスとメスで違うところがあるの?
そうなんだよ!アカエイの歯に違いがあるんだよ!
アカエイの成熟したオスとメスとでは歯の形に違いがあります。
成熟したアカエイのオスの歯は、ギザギザしているのに対し、メスの歯はつるつるしています。
これは、アカエイはオスがメスのヒレに噛みついて交尾を行うため、噛みついて際、離されにくいように歯が尖るとされています。
なお、先ほどから「成熟したオスは」という表現をしていますが、未成熟のオスは、メスの歯と同じようにつるつるした形をしています。
すなわち、アカエイのオスについては、歯が尖っているかどうかで成熟の度合いを知ることができます。
また、歯が尖ると同時にクラスパーの長さも急激に長くなってきますので、歯の尖りとクラスパーの長さで、オスの成熟サイズを推定することも可能です。
私が、島根県東部の宍道湖・中海で行った研究では、歯の尖りの有無とクラスパーの長さから、体盤幅330mmに到達したころから、成熟しているオスが急増する結果となっていました。
水域によって、成熟サイズには微妙な誤差はあるかもしれませんが、他の論文を考慮しても、アカエイのオスは体盤幅350mm前後が成熟サイズといっていいでしょう。
釣り等でアカエイを採取される方は、オスであった場合、歯の形状を観察すると面白いかもしれませんね…
アカエイのオスとメスの見分けた方についてはYouTube動画があります。
気になった方はご視聴ください!!