アカエイの分類について
アカエイって結局何の仲間なの? というか、魚の仲間でいいの?
なるほど…いい質問だね、英太くん。生物が何の仲間であるかは生物学上の分類を知る必要があるね
生物学上の分類…? 聞いたことがない言葉だな~ まずは分類って何か教えてよ~
生物学上の分類とは
分類というと、私たちの日常生活に溢れている事柄であり、例えば学校で学年を分けることは、生徒を年齢という「ものさし」で分類したもであり、飲食店を和食専門店、中華料理屋、喫茶店と呼ぶのも、提供される食事の種類を「ものさし」で分類されたものです。
それでは、生物学上の分類とは何か?
生物学においてある種を分類するための「ものさし」は、類似性と相違性になります。すなわち、どのくらい似ているか?と、似ている中でどこが違うか?ということです。
生物学上の分類では、その類似度と相違性のレベルによって、分けられる階級が異なります。
この階級は大きく7つに分けられ、それぞれを、界(かい)、門(もん)、綱(こう)、目(もく)、科(か)、属(ぞく)、種(しゅ)と呼びます。
それでは、人とアカエイとカニではどちらの方が近い仲間か考えてみましょう…
現代の動物分類に従うと、カニは背骨がないのに対し、人とアカエイはいずれも背骨があることから、カニは節足動物門に、人とアカエイは脊椎動物門に分類されます。
そのため、人はカニよりアカエイに近い動物であることになるのです。
ちなみに、「人とアカエイ」は、「人と魚」、「人と鳥」、「人とヘビ」ぐらいのレベルで異なります。
アカエイの分類
エイはアカエイだけじゃなくて色々なエイがいるけど、アカエイはどんなエイと近い仲間なの?
アカエイは、ガンギエイ(カスべ)やマンタよりも、ホシエイやイズヒメエイと近い仲間になります。
エイ類は上の図でもわかるように板鰓亜綱(Elasmobranchii)に属しています。
板鰓亜綱はサメ区とエイ区に分けられ、アカエイを含むエイ類はエイ区に分類されます。
エイ区はさらに、トンガリサカタザメ目、サカタザメ目、シビレエイ目、ガンギエイ目、トビエイ目に分かれており、私たちがいわゆるエイとして認識しているエイ類の多くはトビエイ目に属しています。
また、トビエイ目の中でも、ヒラタエイ科、ツバクロエイ科、アカエイ科、トビエイ科に分かれています。
ちなみに、日本ではヒラタエイ科は1属1種のみが、ツバクロエイ科は1属2種、アカエイ科は11属17種、トビエイ科は6属10種が確認されています。
したがって、アカエイは板鰓亜綱、エイ区、トビエイ目、アカエイ科、アカエイ属に帰属しています。
なお、学名については2016年の世界的なエイ類の分類群の見直しによって,Dasyatis akajei から現在のHemitrygon akajei に変わっています(詳しくはLast et al., 2016を参照)。