アカエイの天敵

アカエイを食べる生物っているの?

あれ?英太くんは、まだアカエイを食べたことがないの?

いや…そういうことじゃなくて
アカエイの天敵っているの?ってこと!!

なるほど!もちろんいますよ~

アカエイは、生まれてくるときのサイズで体盤幅が約10cmとエイ類の中では小柄であるもの、他の魚類と比べると大きい部類に入ります。

そのため、天敵は少ないのですが、サメ類(特にシュモクザメ類)や、カワウ、アオサギといった魚種性の鳥類が天敵となります。

Twitterなどで、カワウやアオサギがアカエイを加えている画像を目にすることがありますので、知っている方も多いかかもしれません。

また、水中では、フグ類がアカエイの特に尾部をかじることがあります。

ちなみに、死亡した個体や、衰弱した個体であれば、下の写真のように、ヒレの部分もかじられることもあります。

水族館でアカエイとフグ類を同じ水槽で飼育している場合、
アカエイの尾部がフグ類にかじられて、短くなっていることがしばしば確認されます

野外においても、トラフグの消化管から、アカエイの尾部が出てきたという報告もあるため(重田ほか 2015)、自然界でもフグ類はアカエイにとって、外敵になっていることが考えられます。※フグ類はアカエイを丸飲みするわけではなく、けがを負わせるため、天敵ではなく外敵と表現しております。

さらに、死んだアカエイを捕食する生物として、カイミジンコ類やカラスも該当します。

両種ともアカエイの内臓を食べます。

なお、報告がないため、確証はつかめませんが、カニ類や肉食性巻貝類などもアカエイの死骸を餌にしている可能性が高いかと思われます。

アカエイは、汽水域においては頂点捕食者でありますが、カワウやアオサギのような天敵がいることを忘れてはいけません。

また、アカエイが汽水域を好む理由のひとつに、天敵であるサメ類との遭遇率を下げる狙いもあるかもしれません。

ただ、アカエイにとっての一番の天敵は人間かもしれませんね…

国際自然保護連合(IUCN)でも、アカエイは漁獲対象ということからNT(準絶滅危惧種)に認定されています。

ちなみに、アサリの食害生物として駆除がなされているナルトビエイは、豚の飼料なんかにも使われています。

私たちも漁獲されたアカエイを食べることによって、アカエイの天敵としての責務を果たしていきたいものです…

参考文献:重田 利拓・古満 啓介・山口 敦子・冨山 毅・坂井 陽一・斉藤 英俊(2015)瀬戸内海の河口干潟域で確認されたトラフグ稚魚による刺毒魚アカエイの捕食. 生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 54 89-98.